#01

昔ながらの沖縄のおウチは、
工夫がいっぱい。

2017.04.01

ギラギラ、ジリジリ。
突き刺すような強い日差し。
ビュオオオ、グヮオオー。
風と雨が恐ろしい生き物のように荒れ狂う。

『北風と太陽』の話じゃないけれど、日本のいちばん南にある沖縄は、猛烈な台風と強烈な日差しにさらされる場所。
ぼくならすぐに逃げ出しちゃうと思うけど、沖縄の人たちは、いったいどうやって自分たちの暮らしを守ってきたのだろう。その答えは、いまも昔ながらの沖縄の雰囲気が残る竹富島にあったんだ。

竹富島は、石垣島の近くにある小さな島。中心部に集落があり、そのまわりを囲むたくさんの木が、海からの風をやわらげてくれている。でも、それだけだと強い風を防ぎきることはできないから、おウチのまわりにもいろいろな工夫をしているんだ。

そのひとつが、町のあちこちで見かける石垣。
海からもってきたサンゴの石をひとつひとつ積み上げてつくるんだって。道に敷き詰められた白砂もサンゴ。そもそも、竹富島は昔々にサンゴが盛り上がって生まれた島みたい。

話はそれちゃったけど、石垣のほかにも風を防いでくれるのが、フクギという木。青々とした葉が生い茂っていて、強い風はしっかり防ぎ、弱い風はさらさらと通してくれるのだとか。強い日差しも遮るし、いたれりつくせりだよね。

もうひとつ、大切な役割を果たしているのが、「ヒンプン」というおウチの正面にある衝立のような壁。じつは昔ながらの沖縄の家は、玄関がないんだって。知ってた?

風通しを良くするために、縁側が路地に向かって開かれているんだけど、それだとウチの前を通る人の視線が気になって、ゴロゴロしたりできないよね。だから、目隠しのためにこのヒンプンをつくっているんだ。あと、台風とかの強い風も防いでくれるそう。

おもしろいのが、お客さんはヒンプンを右から回って入り、家族は左から入るというしきたりがあったんだって。なんだか、玄関と勝手口みたいだね。

ちょっとすごいのが、ヒンプンは魔物が入ってくるのを防ぐこともできるんだとか。閉じているわけじゃないから、どうやって侵入できなくするのかなと不思議だったんだけど、沖縄の魔物は直進しかできないみたい。いのししとか、闘牛みたいだよね。

だから、正面だけ壁をつくっていれば侵入を防げるんだって。壁にぶつかって帰っていく魔物の姿を想像したら、ちょっと楽しいよね~。ちなみに、僕はきちんと曲がれるから。華麗にターンも決めちゃうよ~。

それはそうと、入口あたりに立っていると、なにやら視線を感じてしまう。誰なの?ひょっとして魔物?さっきちょっと笑ったから?と思ったら、屋根の上に何かいる。すんごい目でこっちを見てるけど。ネコ?獅子?

あ、そっか。あれが、シーサーなんだね。魔物を追い払ってくれるんだって。ぼくもおウチの守り神なんていわれているから似た者同士なのに、なんだか魔物に間違われているみたい。困ったな。

シーサーがいる屋根は、赤瓦を漆喰で塗り固め、重くすることで、瓦も屋根も飛ばないようにしているそう。おウチの背が低く、軒が大きくせり出しているのは、風をうまく受け流すための工夫。

大きな軒下空間は、雨端(あまはじ)といって、雨が室内に入るのを防いでくれる。強い日差しも遮られ、屋根と軒で家のまわりまで覆うことで、ずいぶん涼しくなるんだって。

おウチの中は風が通るように、障子なんかなく、基本、開けっ放し。でも、お客さんをむかえる部屋、パパママの寝室など、しっかり区分けされている。じゃあぼくは、どの部屋にいればいいんだろうね。シーサーくんに聞いたらわかるかな。

沖縄の家づくりは、自然に逆らうんじゃなく、上手に受け入れ、受け流し、自分たちの暮らしをよくするために自然を活かしている。風を防ぐことと通すこと、両方を行うことができるのは、外に開かれた家づくりだから。家の中も、中から外も、外から路地も、仕切らずにゆるくつながることで、みんなが心地よく過ごせているように思う。

竹富島の人々はみんなで一緒にやるという「うつぐみ」の心を大切にしているそうで、路地の白砂を毎朝、住人が掃き清めるのも、みんなが同じ思いを抱いているから。

島のみんながひとつの家族、集落がひとつの大きなおウチのように暮らしているからこそ、自然の猛威にさらされながらも、しあわせな日々を送れているんだね~。

ざしきわらしラボ

気候や風土が変われば、住まいやしあわせのカタチも変わってくる。
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